EDとは、Erectile Dysfunctionの頭文字を取った略語です。様々なクリニックが独自の実態調査を行っており、20代~70代まで多くの日本人男性がEDに悩んでいることがわかっています。本記事ではEDの概要と、ストレスを要因とするEDにかかりやすい人の特徴、改善策をお伝えします。試してもダメなら、1人で抱え込まないで適切な治療を受けることを検討しましょう。

EDとは、どんな病気なのか

EDは勃起障害や勃起不全と呼ばれ、十分な勃起ができない、勃起しても維持できず満足な性交渉ができないことを言います。EDには程度があり、軽度・中等度・重度の3分類となっています。実態調査は個々のクリニックによって独自に行われているため、重度を「完全型」などと呼んでいる場合もあり、調査結果にはバラつきがあります。調査結果が不ぞろいになる要因には、EDの検査が煩雑で費用がかかるため統計調査に向かないことも挙げられます。調査は基本的に質問用紙によるアンケートや面接、電話によって行われ、結果は調査対象者の自己申告が中心です。調査によって結果が異なるとしても、多くの男性がEDに悩んでいることは事実です。

程度によるEDの分類について説明すると、軽度のEDは、たまに硬さや維持力が保てないことがある状態です。中等度では軽度よりも性交渉できる頻度が減り、たまに硬さや維持力を保てますが、できないことの方が多くなります。重度は硬さや持続力が十分ではなく、性交渉ができない状態を指します。一般的にEDだと考えられている状態ですが、EDには程度があり、早く治療するほど回復までにかかる時間も短縮されます。他の病気が潜んでいる場合には、悪化することを防げます。

ストレスを原因とするEDにかかりやすい人の特徴

EDには、原因に基づく分類もあります。原因による分類は4種類で、器質性と心因性、混合型と薬剤性に分けられます。ストレスを原因とするEDは心因性に当たり、精神的なストレスやトラウマによって神経に興奮が適切に伝達されないことで起こります。ストレスの原因は人によって異なり、仕事や日常生活の中でのプレッシャーにあったり、失業などの非日常的なできごとにあったりします。過去の性交渉の失敗がトラウマになって極度の緊張状態を招くこともありますが、これも一種のストレスと言えるでしょう。

一般的に多いEDの原因は、加齢や糖尿病などの疾患、高血圧やテストステロンの低下など器質性のものです。しかし、あるクリニックの調査によるとEDだという自覚のある20歳~49歳の男性500人のうち77%が、自身のEDの原因をストレスだと感じていることがわかりました。ストレスの内容は「会社(仕事)」と答えた人が42.9%で最も多く、次いで25.5%が回答した「自信のなさ」、10.6%は「恋人との関係」を挙げています。この結果から言えるのは、働き始めて間がない若い世代や、中間管理職となる確率の高い働き盛りの男性がEDを自覚する場合に、ストレスが原因だと感じる割合が高いことです。自分に自信のない人や、恋人との関係に不安を感じている人も、ストレス性のEDになりやすいと言えます。

ストレスが原因のEDを改善するには

仕事上の人間関係のストレスは、どんな職場でもついて回り、転職しても抜本的には解決できません。日常生活でも同様です。しかし上手に人間関係を構築すれば困ったときには助けてもらえ、本音を吐き出せる場ができるなど、ストレスの解消につながることもあります。できるだけ相手のよい面に目を向けるようにし、相手の立場に立って考えてみると人間関係が改善します。興味を持って相手の言葉に耳を傾け、感謝の言葉を伝えるなどの行動を実践してみましょう。飲酒や喫煙など、ストレス解消の目的で行っている行動がEDの原因になっていることもあります。好きな動画を深夜まで観たり、好きなものばかり食べたりといった生活習慣も要因になりえます。適度な運動も、ストレス性のEDには効果的です。

ストレス性のEDだと感じたら、自身に合ったストレスの低減法をみつけよう

ストレス性のEDは若年層にもみられます。パートナーを含めた適切な人間関係の構築は、ストレスの解消につながります。生活習慣の見直しも効果的です。ストレスが原因のEDを放置すると、うつ病などの精神的な病気を引き起こす恐れもあります。悩んでいるのは自分だけではありません。EDを自覚したら、医師に助けを求めることで早期に解決できます。