男性型脱毛症のAGAというと、年齢を重ねてから起きる髪トラブルという認識を抱いている人も少なくありません。時代の移り変わりの中で、20代を始めとした若年層でも発症する人が増加傾向にあります。正しい知識を身に着けることがAGAの改善に繋がる第一歩です。今回は、若年層で髪のトラブルに悩む人が増えている原因を紹介すると共に、有効な対処法について解説していきます。

若年層がAGAを発症する主な原因

若年層でAGAのトラブルに悩む人が増えている大きな要因が、生活習慣の乱れです。10代や20代の若い頃は気力、体力共に充実しているため、睡眠を削ってでも遊びに時間を費やしてしまう人も少なくありません。徹夜で遊び回った翌日に睡眠時間を多めに確保するといった、極端な生活を続けていると、体内のホルモンバランスが乱れていきます。睡眠と並ぶ、深刻な髪トラブルの原因が偏った食生活です。肉中心の食事、仕事が忙しく時間が取れないなどの理由で、スナック菓子のようなジャンクフードで済ませてしまう若い世代も増えています。カロリー、脂質の高い食べ物は、皮脂の過剰分泌を引き起こして頭皮環境を悪化させる原因の一つです。そのほか、一見すると関係がないように感じられる、仕事の付き合いによる過度な飲酒もAGAに繋がると考えられています。

AGAを防ぐ有効な対処法

いくつかあるAGAの基本対策の一つが、生活習慣の見直しです。人間の髪の毛は、睡眠中に体内で分泌されるホルモンの働きで成長していきます。気力、体力共に漲っている肉体の充実に慢心して徹夜を繰り返していれば、髪の毛を成長させることはできません。十分な睡眠時間の確保は、健康な髪の毛を生むために欠かすことのできない大事な要素です。1日の中でホルモンが多く分泌されるのは、午後10時から午前2時の間と言われています。睡眠のゴールデンタイムと呼ばれるこの4時間に睡眠を取ることを心掛けなくてはいけません。

生活習慣の見直しは、睡眠以外に食事も含まれます。脂質の過剰摂取に繋がるスナック菓子を避けるのはもちろん、納豆や乳製品などの良質なたんぱく質を積極的に摂取しなくてはいけません。お肉類は豚の肩ロースや鶏もも肉、魚類はあじ、さばがたんぱく質の含有量が多い食材と言われています。適度な飲酒は疲労回復、血行促進などの効果が期待できますが、許容量を超えると睡眠の質を下げることになるので注意が必要です。1日の飲酒はビールは中瓶1本、日本酒は1合程度が目安とされています。

ストレスの軽減とセルフケア

日常生活の中で溜まりやすいストレスも、AGAの発症する原因の一つです。ストレスは自律神経やホルモンバランの乱れ、精神的な不安定さが招く睡眠の質の低下を引き起こすと考えられています。仕事や人間関係も含めて、日常生活でストレスに直面する機会は多く、溜めずに生き続けることは簡単ではありません。大切なのはストレスを蓄積した状態で放置をせずに発散させることです。スポーツや簡単な運動で定期的に体を動かす、趣味を始めとした好きなことに没頭する時間の確保がAGAの予防に繋がります。

髪の毛が成長しやすい環境を自分で作っていくことも、AGAの有効な対処法です。全身が温まって血の巡りが良い入浴中に頭皮のマッサージを行う、髪のダメージが少ない洗浄剤を選ぶといった方法が有効とされています。特にシャンプーはパッケージデザインや香りを基準に選ぶのではなく、配合されている成分を確認して決めることが大切です。

諦めずに根気良く続ける

若年層の中には、親を始めとした身内に薄毛の人がいるという理由で、抜け毛が増え始めた時に諦めて何もしない人も少なくありません。AGAは遺伝も影響すると考えられていますが、正しい対処法を取り入れていけば予防、改善が期待できると言われています。生活習慣の見直し、必要に応じて専門医へ相談するなど、諦めずに根気良く続けることが大切です。