EDは40代50代の中高年層に限った症状ではなく、20代30代の若年層にも見られる勃起不全の症状です。若年層のEDには幾つかの要因が挙げられますが、その中で最も多いのがストレスや心理的なプレッシャーによるものです。若年層にとって、EDは中高年層以上に深刻な問題となりえます。そこで当記事では、EDの要因を挙げながら改善策を紹介します。

そもそもEDの定義とは?

そもそも、男性は自分がEDなのかどうかよく分からないというケースが少なくありません。一般的な定義は、「満足のできる勃起が得られない状態」を指します。即ち、完全な勃起不全だけがEDなのではなく、中途半端な勃起や持続力の無い勃起などもEDに該当するわけです。実際、ED治療中の患者の多くは後者のケースだと言われています。勿論、若年層のEDも完全な勃起不全は少なく、心理的要因などによる不完全な勃起が多いと言えます。不完全な勃起のケースには、勃起しても硬さが足りなかったり、勃起の頻度が落ちてきたりするするケースも含まれます。

若年層のEDの特徴として、性欲はあるものの勃起しなかったり、勃起の持続性が低かったりすることが挙げられます。時々勃起しなくなるだけなら、EDではないと考える人も多いでしょう。但し、思うように勃起しなくなったと感じたら、EDの症状の出始めかもしれません。それ故、少しでも不安があるのであれば、早期に治療や対策を受けるのが良いと言えます。

若年層に多い心因性ED

EDには大きく二つのタイプがあり、器質性EDと心因性EDに分けられます。器質性EDは中高年層にみられるもので、高血圧や糖尿病、動脈硬化などに起因するものです。一方、心因性EDは若年層にもみられる症状で、心理的なプレッシャーや焦り等から起こるとされます。その他にも器質性と心因性が合わさった混合型EDや、薬の副作用で起こる薬剤性EDなどがあります。若年層に多い心因性EDは、勃起のメカニズムのデリケート性を示唆しています。そもそも、男性器の勃起は心理的興奮により、神経伝達系を通じて血液が海綿体に流入することでなる状態です。

勃起のメカニズムを、もう少し詳しく解説します。平常時のペニスは平滑筋という筋肉により、海綿体に血液が流入しないようになっています。性的刺激やペニスへの直接刺激は大脳性中枢を興奮させ、その刺激が副交感神経を介して海綿体神経に伝わります。海綿体では神経伝達物質によって、海綿体動脈等が弛緩して血液が流れ込む仕組みです。さらに海綿体の平滑筋も弛緩して一気に膨れ上がることになります。このように、勃起は神経伝達と血液流入が適切に連動して引き起こされる生理現象となるわけです。

心因性ED自体も二つのタイプがある

心因性EDは、海綿体への血液流入が阻害されるというより、前段階の神経伝達の過程に問題があるものです。心因性ED自体にも大きく分けて二つタイプがあり、一つは現実心因性EDでもう一つは深層心因性EDです。前者は誰にでも起こりうるEDで、日常的なストレス等から引き起こされる勃起不全となります。実際、若年層EDの殆どはこのタイプだと言われています。また、セックス中のパートナーからの苦言、自信の喪失なども現実心因性EDの要因になり得ます。これらのEDは自分でも要因を突き止められるのが特徴です。現実心因性EDの場合、カウンセリングや治療薬で症状が改善されるケースが少なくありません。要因を突き止められる分、治療も比較的にしやすいと言えます。

一方、深層心因性EDは自分で要因が分からないまま勃起不全に陥っている状態となります。多くの場合は、幼少期の体験や性的なトラウマによって引き起こされると考えられます。深層心因性EDは要因が潜在意識や無意識にあるので、治療が難しかったり長引いたりする傾向があります。しかし、治療が不可能なわけではないので、専門医と相談の上で治療方針を立てることが大事です。

若年層EDはカウンセリングや治療薬で改善が期待できる

ストレスの多い現代社会では、20代30代の若年層がEDになることは珍しくありません。彼らの勃起不全の要因は器質性というよりも、心因性にあることが殆どです。心因性EDには現実心因性EDと深層心因性EDの二つのタイプがあり、前者であればカウンセリングや治療薬で改善が期待できます。後者は治療が難しいですが、専門医の指導の下で治療方針を立てることができます。